内服薬・外用薬・注射薬の剤形による違い
この記事でわかること
・内服薬・外用薬・注射薬の剤形による効果の違い
・内服薬・外用薬・注射薬の剤形別の注意点
薬剤の剤形による違い
薬剤の剤形は、大きく内服薬、外用薬、注射薬に分かれています。
内服薬とは、口から飲んだり、舌下や口腔内に入れたりして体内に入れる薬のことです。
外用薬とは、皮膚や粘膜など体表面に塗ったり、貼ったりして使用する薬のことになります。
注射薬とは、皮下や筋肉、静脈などに注射器で直接体内に入れる薬のことです。
それぞれに使われる意味がありますので、その効果の違いや注意点を説明します。
内服薬
内服薬は、内用薬、内服剤、経口剤ともいうこともあります。
内服薬は、胃や小腸で吸収されて血液を介して全身に運ばれ、さまざまな体の部位・組織で効果をしめします。
そのため、全身性の症状に効果を発揮します。
同時に副作用が起こった場合もさまざまな体の部位で生じることになります。
まずは、内服薬の種類から説明していきます。
・内服薬の種類
内服薬とは、口から飲んだり、舌下や口腔内に入れたりして体内に入れる薬のことです。
内服薬には、錠剤、カプセル剤、散剤・顆粒剤、内服液剤・シロップ剤などがあります。
チュアブル錠 | 水なしで噛んで飲むことができる錠剤です。 甘味料や香料が加えられていることが多く、飲みやすいのが特徴です。 |
舌下錠 | 舌の下に置いて溶かすことで、口腔粘膜から成分を吸収させる錠剤です。 速やかに効果が現れるという利点があります。 |
バッカル錠 | 歯と歯茎の間に置いて溶かすことで、口腔粘膜から成分を吸収させる錠剤です。 舌下錠と同様に速効性が高いですが、舌下錠よりも長く口の中に留めることができます。 |
口腔内崩壊錠 | 唾液やほんの少しの水分で溶けるように作られた錠剤です。 水分摂取を制限されていたり、飲み込む力が弱くなっていたりする方でも服用できるように 作られています。 |
内服薬を使用する際の注意点は次のとおりです。
まずは、用法・用量を守ることです。
多く飲んでも効果が高まるわけではなく、逆に中毒や副作用を起こす可能性があります。
飲むタイミングを指示通り守ることです。
食後・食間など、指示されたタイミングで飲むことで、効果を最大限に発揮できます。
・飲み忘れた場合
飲み忘れた場合は、気づいた時にすぐに飲むことです。
ただし、次の服用時間が近い場合は、その分は飲まずに次回から通常通り飲みます。
2回分を一度に飲んではいけません。
他の薬や健康食品との併用はで問題が生じることがあります。
他の薬剤の使用や健康食品の摂取については、薬剤師へ具体的な商品名を伝えて相談してください。
外用薬
外用薬は、主に局所的な症状に効果がありますが、全身に影響を及ぼすこともあります。
鎮痛作用や解熱作用を持つをもつ坐薬、アレルギー性鼻炎の際に鼻腔へ噴霧する点鼻薬は、その代表例です。
・外用薬を使い場合の注意点
外用薬を使用する際の注意点は次のとおりです。
使用部位や使用方法を守ることです。
指示された部位以外に軟膏を塗ったり、湿布剤を貼ったりしないでください。
また、傷に使う軟膏などを除き、傷口や粘膜に直接塗ったり、貼ったりしないでください。
指示された使用量や使用期間を守りましょう。
使用後は手を洗ってください。指先が目や口などに触れてしまうと、刺激や副作用を起こす可能性があります。
・ケトプロフェンを使用した湿布剤・テープ剤
貼付部分が日光に当たらないようにしてください。
光感作性皮膚炎という皮膚の炎症を起こす可能性があります。
はがした後も1週間程度は、日光を避けるようしていただくのがおすすめです。
注射薬
注射薬は、内服薬に比べ速やかに効果が現れますが、副作用のリスクも高くなります。
注射薬は、以前ならインスリンなど一部の自己注射製剤を除き病院で医師や看護師から投与される薬剤でしかありませんでした。
ところが、今では、多くの自己注射製剤が認められています。
注射薬を使用する際の注意点は次のとおりです。
自己注射を行う場合は、正しい方法や衛生管理を指導してもらうことです。
注射部位や注射量を守りましょう。
指示された部位以外に注射したり、必要以上に多く注射したりしないでください。
感染や出血などの合併症や副作用を起こす可能性があります。
注射部位は、注射前だけでなく、注射後も清潔にしましょう。
最後に
お薬手帳を持つことは病気治療の管理にとって大切です。
病気で受診する際、薬局へ処方箋を持参する際は、お薬手帳を持参するようにしましょう。
そして、過去に生じた医薬品での副作用、食品などに対するアレルギー症状に伝えるようにしましょう。
また、ご自身が女性である場合、妊娠していたり、授乳していいたりする状況の場合は、そのことを医師や薬剤師に伝えましょう。
これらの情報は、適切な薬剤の選択とその確認のために必要です。
さらに、お薬手帳には、処方された薬や購入した市販薬などを記録しておくことで、医療機関や薬局へその情報共有をすることができます。
参考文献・サイト
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201310/2.html
https://alinamin-kenko.jp/kenkolife/kusuri/choice.html
https://www.acc.ncgm.go.jp/general/note/drug/
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/hospital/hospital005.html
タイトル写真提供|EmilianDanaila/Pixabay
文章内写真提供|HeungSoon/Pixabay, saponifier/Pixabay