低血糖とその対処法
この記事でわかること
・低血糖とは
・低血糖時の対処方法
・低血糖で意識がない場合の対処方法
低血糖とは
低血糖とは、血液中の糖分が異常に低くなる状態のことです。
血液中の糖分を血糖といい、その値を100mL中のmgで表します。
一般的には、mg/dLと表記されます。
正常値を下回り低血糖と診断されるのは、一般的に血糖値が70mg/dL以下の場合です。
ただし、常時高血糖の状態である人が、正常値やそれに近い値になっても低血糖の症状が現れることがあります。
低血糖になると、自律神経系の反応により、空腹感、冷や汗、ふるえ、動悸などの自律神経症状が現れることがあります。
また、脳の機能障害により、力の抜けた感じや目のちらつきなどの神経系症状も現れることがあります。
さらに、頭が痛かったり、ぼんやりしたり、ふらついたりといつもと違う行動を取ることもあります。
さらに重要なことは、重症になると、意識障害やけいれんなど命に関わる危険性もあるということです。
低血糖は、糖尿病の治療薬を使っている人に多く見られます。
糖尿病の治療薬を使用している人において、食事量や運動量の急激な変化が生じた場合、過剰なアルコール摂取を行った場合などに生じやすくなります。
ここでは、糖尿病治療を行っている場合に生じる低血糖に絞って、話をしていきます。
低血糖時の対処方法
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もし、低血糖が起これば、速やかに糖分(砂糖やアメ玉、ブドウ糖など)を摂取して、安静にしてください。
服用中の薬剤の中に、α-グルコシダーゼ阻害薬という種類の薬剤があるがある場合は、ブドウ糖を摂取してください。
日頃から、ポケットやバッグの中に糖分のあるものを持ち歩くようにして、すぐ糖分を取れるようにしておけるようにしましょう。
通常、糖分摂取後5分以内に症状は改善されます。
また、食事までに1時間時間以上の時間がある場合は、パンやおにぎりなどの炭水化物を少し食べることも必要です。
意識がない場合の対処方法
低血糖が重症になると、意識がもうろうとしたり、昏睡状態になったりしてしまい、患者さん自身は自分でブドウ糖を摂ることができなくなる場合があります。
このような場合、周囲の人が無理に飲ませようとすると、窒息などの原因になる可能性があります。
周りの方は、水に溶かしたブドウ糖や砂糖を歯茎に塗りつけ、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。
重症になりやすい人の場合、医師からグルカゴン製剤を処方してもらうこともできます。
グルカゴンは、肝臓に作用して、そこで蓄えられた糖であるグリコーゲンを分解し、新たなブドウ糖を生成させるホルモンです。
このグルカゴンは、グルカゴン製剤はとして発売されています。
グルカゴンの用意がある場合には、本人に代わって家族の方や介護を担当する方が処置してください。
なお、グルカゴンには、注射薬と点鼻薬があります。
点鼻薬は、溶解の必要がなく、筋肉注射をする必要もない剤形です。
グルカゴンの用意がある場合は、使い方や保管場所について日頃から家族や介護をする人に対してその情報を共有しておくようにしましょう。
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最後に
低血糖は、命に関わることもあるのです。
まずは、発生の予防することが大切です。
このため、薬の量や飲み方・注射剤の使用方法などについて主治医から指導された方法で行うようにしてください。
また、食事や運動のバランスをとることや、定期的に血糖値を測定することなども主治医から指示ある場合は、それに従うようにしましょう。
タイトル写真提供|Jess Foami/Pixabay
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