この記事でわかること
・ジェネリック医薬品とは
・オーソライズドジェネリックとは
・ジェネリック医薬品の上手な使い方
ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、先発の新薬(以降、先発薬)の有効成分、用法・用量、効能・効果、品質および安全性などが同等の医薬品のことです。
先発薬の特許が切れた後に、他の製薬会社が製造・販売するものを指します。
ジェネリック医薬品は、先発薬と比べて価格が安いのが特徴といえます。
これは、先発薬の特許が切れることで、ほかのメーカーの製造が可能となるためです。
ジェネリック医薬品は、先発薬に続いて発売される医薬品であることから後発薬とも呼ばれます。
ジェネリック医薬品は、先発薬と比べて安全性や有効性が劣るのではないかと心配される方もいるかもしれません。
しかし、ジェネリック医薬品は、先発薬と同等の基準で製造・販売されています。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ成分の医薬品で、安全性と有効性は同等です。
ただし、患者さんの中には原薬や製造方法などの違いを気にされて、ジェネリック医薬品の使用を躊躇される方もおられます。
このような方に向けて、オーソライズド・ジェネリックというカテゴリーも存在します。
オーソライズド・ジェネリックとは
オーソライズド・ジェネリックとは、以下の医薬品を指します。
・先発医薬品メーカーが認定し、先発医薬品と同一の原薬・添加物・製造方法等で製造されたジェネリック医薬品
・先発医薬品メーカーから特許実施の許諾を得て、他のジェネリック医薬品に先行して販売することのできるジェネリック医薬品
オーソライズド・ジェネリックは、新薬と同等の品質と安全性が確保されています。
オーソライズド・ジェネリックには、以下の3種類があります。
原薬 | 製造方法 | 製造場所 | その他 | |
AG1 | 先発医薬品メーカーの原薬 | 先発医薬品メーカーの製法、技術、製造ライン(工場) | 先発医薬品メーカーの工場 | 先発医薬品メーカーの工場で製造されるため、新薬と同等の品質と安全性が確保されています。 |
AG2 | 先発医薬品メーカーと同じ原薬 | 先発医薬品メーカーと同じ製法 | 後発医薬品メーカーの工場 | 先発医薬品メーカーと同じ原薬を用いて製造されるため、新薬と同等の品質と安全性が確保されています。 |
AG3 | 先発医薬品メーカーの原薬とは異なる原薬 | 先発医薬品メーカーの製法、技術、製造ライン(工場) | 後発医薬品メーカーの工場 | 先発医薬品メーカーの工場と製造ラインを用いて製造されるため、新薬と同等の品質と安全性が確保されています。 |
オーソライズド・ジェネリックは、上記のいずれであっても新薬と同等の品質と安全性が確保されているといえます。
また、オーソライズド・ジェネリックは、先発医薬品の特許が切れる前に発売されることもあり、一般のジェネリック薬品より早期に入手できる場合があります。
ジェネリック医薬品に抵抗があるのであれば、まずはオーソライズド・ジェネリックを試してみるのはいかがでしょうか。
まとめ
ジェネリック医薬品について、色々述べてきました。
私も3-4年前までは、ジェネリック医薬品に抵抗があったのですが、今では内服薬については抵抗がなくなりました。
内服薬は通常の使用においてなら、ジェネリック医薬品でも先発薬との大きな違いはないと思っています。
しかし、外用薬である軟膏、点眼薬、湿布剤などはその使用感が違うと言われる方がいます。
外用薬の使用感は、役剤の継続使用に影響すると考えます。
ただし、これも先発薬が必ずしもいいとは限りません。
外用薬の場合、製剤それぞれで使用感の違いがあると思っておくといいです。
ジェネリック医薬品は、患者さんの経済的負担の軽減だけでなく、国民医療費の抑制にもつながります。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品に比べ安価であることから、利用が進めば国民医療費における医薬品コストが節約できるのです。
内服薬、外用薬に関わらず、ジェネリック医薬品を試してみませんか。
そして、使用したうえで、もし自分に合わなければ、次を考えればいいと思います。
その際は、薬剤師にぜひ相談してください。
参考文献等
タイトル写真提供|NationalCancer Institute/Unsplash
文章内写真提供|Laurynas Mereckas/Unsplash